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夏の休日の小確幸〈(c)村上春樹〉はビールを飲みながら聴くケニーの星屑ギター

Category : 1970年代/音楽
いよいよ8月になりました。今年は台風のせいか、俗に言う「梅雨明け十日」(梅雨明けしてしばらくは太平洋高気圧が張り出してカラッした晴天が続く)の好天がなく、湿気の多いどんよりした日が続きますね。

こんなときは、音楽もギンギンの暑苦しいロックより、ライトな優しい音楽を聴きたくなります。歳をとると耳も夏バテするのですよ。ほんの先日、フジ・ロック・フェスにゆく娘をバスターミナルまで送る車中、ジャック・ジョンソンをかけたら、1曲目が流れ始めたとたん、二人で「涼しい~」と輪唱してしまいました。サーフィンを終えた夜の浜辺で、仲間と語らいながら音楽を奏でている風景が浮かんできて、夜風の感触まで伝わってきそうで、ほんとジャック・ジョンソンの音楽は涼しいんですよねー。

でも、本日紹介するのは、ジャックではなくケニー。
ケニーこと井上ケン一のレアな名盤『レイジー・ベイビー・ケニー』(1976年)です。

井上ケン一/レイジーベイビーケニー表

井上ケン一/レイジーベイビーケニー裏jpg


夏の休日の昼間、戸外の日陰に椅子と小さなテーブルを持ち出して、柿の種をポリポリ囓ってよく冷えた缶ビールを飲みながら、杉浦日向子の江戸ものエッセイなんかを読んで過ごすとき、ぴったり合うのがこのアルバムなんですね。実際、ここ数年間、8月のうちの1日は、このシチュエーション通りのひとときを過ごすことにしてます。読む本は毎年違いますが、流す音楽は必ず、コレです。まあ極私的な年中行事ですね。

こう書くと、なんだか広い庭のある高級住宅地に住んでるみたいですが、実際は庭なんかなくて、人通りの多い道路に面した自宅軒下の自転車置き場でビール(風飲料)を飲むだけなんです。通りかかる人に、けっこうジロジロ見られるけど、気にシナイ。ひょっとして、こんな私を目撃したことのある方もおられるかもしれませんが、そういうことですので(どういうことだ)。

井上ケン一は、1970年代に活躍したロック・バンド「久保田麻琴と夕焼け楽団」のリード・ギター担当だった人です。夕焼け楽団は、細野晴臣らと並んで、沖縄やハワイ、ニューオリンズなどのリズムを取り入れた、後に言うワールドミュージック指向の音楽を日本で演り始めた先駆け的存在で、日本ロック史上に大きな足跡を残すバンドですが、一般的な知名度はそれほど高くなく、残念ながら音楽通好みのマニアックなバンドという位置付けのようです。

で、1970年代半ばに発表されたこのアルバム、いわゆるバナナベルトの音楽の香りがするアルバムが多い夕焼け楽団の、音創りの中核をなすギタリストが、ハワイで録音したソロ・アルバムですから、もう100%純正の南国ュージックなわけですね。

「レディース・アンド・ジェントルメン、ケニーガ、イマ、アソビヨルノヨ」という外人さんのたどたどしい日本語による紹介で、曲がスタートします。ハナから横道へそれますが、この「~ノヨ」という語尾は、ハワイ方言みたいなもので、明治時代に行われた大規模ハワイ移住では広島県、山口県など西日本出身者が圧倒的に多く、先祖の中国地方方言の名残がハワイの子孫に受け継がれているのだろうということです。

というわけで、脱力系イントロダクションを受けて始まるのは、まずインスト。ジャズの超スタンダード『A列車で行こう』のラグタイム・バージョン『A列車のラグ』。アコギでのブルージーなフィンガーピッキング演奏に、ホヤーンとした音色のフルートとトロンボーンのソロ。暑く気怠い夏の午後に、これが流れ始めると、もう、体がいっぺんにフニャーンとほどけてきて、それはそれは快感なんですよ。

ビートルズの『ハニー・パイ』のカバーの『ケンちゃんのハニー・パイ』は、原曲がかなりユルめなのに、それをまだ倍くらいユルめて「君が好きなのは~アップル・パイ? パンプキン・パイ?」なんて、ホンワカ歌っています。星の数ほどあるビートルズ・ソング・カバーのうち、最ユル・カバーは間違いなくコレでしょう。

ブルースの古典『心の悩み(トラブル・イン・マイ・マインド)』も演奏してますけど、マッタク悩んでいるように聞こえない!

オリジナルの『冷たい風』で「冷たい風が吹いてきて 俺の心を吹き抜ける」なんて歌うけど、ちっとも冷たそうじゃない! ぬくい南の風みたいに感じます。こんなに夏が似合う冬の歌はないだろうな。

こう書くと、なんか井上ケン一という人は、ノーテンキなだけのア○な人物みたいですが、けっしてそうではありません(会って話したことがないので断言はできませんが)。

多くの曲で聴かれるのが井上ケン一のシグネチャーというべき、フィンガー・スライドを多用した滑らかで伸びやかで煌びやかなフレージングをちりばめた、クリヤーながらユルく甘めの、これぞフェンダー・トーンという感じの、通称“星屑”ギター。これがもーー絶品!!

全編、脳細胞弛緩物質たっぷりの曲ばかり。これぞレイドバック(もはや死語ですが)の極致。


あー、早く今年の「ケニーの日」(暑い晴天の休日)がやって来ないかなー。




追記:フジ・ロック・フェスを聴きに行ってた娘が昨夜帰宅して、「モノスゴク楽しかったけど、モノスゴク疲れたー」と叫んでいました。それを聞いて、自分は「モノスゴク疲れる」ことはしょっちゅうあるけど、それに「モノスゴク楽しい」がくっついたことは、もう何年もないよなー、なんて思ってしまいました。
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Comment

No title

この「大ちゃん」は若いですね!!
何年前の「大ちゃん」ですか?

「大ちゃん」=大下さん・・・(-_-;)フフフ!

No title

大ちゃんに初めて会ったとき、逃げ出しもせず、逆に親近感がわいたのは、それでかっ!
そういえば、大ちゃんも夏ファッションで名高いですねー。
規制がかかって最近見ることができなくなった
ピチピチ半ズボンー♪

引用させていただきました。

私は、8月4日に、長野県斑尾高原で、INOUE OHANA のライブを開催するものです。
井上憲一で、検索していたら、このブログを見つけ、あまりに、よい内容なので、引用させていただきました。よろしく、ご了解、お願いします。
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