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それはスポットライトではなくキャロルの瞳で輝いていたものなのか

Category : 1970年代/音楽
ずいぶんブログを更新していませんでした。4月は1本も書いてないモンなあ。

さて先日、友人からボビー“ブルー”ブランドのアルバムを戴きました。
おすすめナンバーのひとつが“It's Not The Spotlight”というから、こりゃあ文字通り聞き捨てならん、ということで早速聴いてみました。

ボビー・ブルー・ブランド

なんで聞き捨てならんかというと、この曲は私の古くからのフェバリット・ソングでして、30数年前にカセット・レコーダーでピンポン録音した私の一人多重録音演奏テープが今も手元に残っております。そのテープは、聴くのが怖いシロモノでして、懐かしさに負けてつい聴いてしまったりすると、しばらく落ち込み、以後10年くらいは聴きたくなくなります。んなもんで、録音したとき以来、人前で時々演奏するようになった現在でも、この曲をやったことはありませんが。

ボビー・ブランドで改めて聴いてみて、やはりものすごくエエ曲やと再認識し、あまり気にしていなかったこの曲の来歴なぞをたどってみる気になりました。

この曲を最初に聴いたのは70年代後半、浅川マキによる日本語バージョン「それはスポットライトではない」。以前に触れたように、彼女は大のロッド・スチュアート・ファンでしたので、ロッドのアルバム『アトランティック・クロッシング』でこの曲を知りカバーしたと思われます。


アトランティック・クロッシング

私がロッドを聴くようになったのは、浅川マキが歌う「ガソリン・アレイ」や「オールド・レインコート」の原曲を聴きたくなったからで、『アトランティック~』を買ったのも「それはスポットライトではない」の元歌「イッツ・ノット・ザ・スポットライト」が目的でした。ところがまあ、このアルバムがとんでもない名作で、特に〈スロウ・サイド〉と名付けられたB面は、1曲目の「もう話したくない」から「それはスポット~」を経てラストの「セイリング」まで怒濤の名曲・名演・名唱揃い。ハスキーボイスをぐっと押さえて入り徐々に解放してパワー全開へともっていくスケールの大きさ。音色も都会的な中にイギリス・トラッド・フォークのイナタイ哀感が混じり、男の色気といいましょうか、ゾクッとくるほどいいんですねえ。この前後数年間のロッドは名実ともにナンバーワン・ロックボーカリストでした。

閑話休題(それはさておき)、浅川マキ訳による日本語詞。

もしも光が またおいらに
あたるなら それをどんなに待っているさ
ずっと前のことだけれど その光に
気づいていたのだが 逃しただけさ
だけどふたたび いつの日にか 
あの光が おいらを照らすだろう

あの光 そいつは古びた街の 
ガス灯でもなく月明かりでもない
スポットライトでなく ろうそくの灯じゃない 
まして太陽の光じゃないさ
あの光そいつは あんたの目に 
いつか輝いていたものさ
またおいらいつか 感じるだろうか 
あんたは何を 知ってるだろうか

It's not the spotlight
It's not the candlelight
It's not the streetlight
But some old street of dream
It's ain't moonlight
Not even the sunlight
But I'v seen it shining in your eyes
And you know what I mean


この日本語詞が秀逸です。求める「その光」が真理や悟りなど崇高な精神性の比喩のようであり、厳粛ささえ感じられるような気がします。でも、原詞はもっと軽いノリで、「スポットライトみたいに輝く瞳の彼女と別れてしまった。でもまたいつかヨリをもどしてやるぜ」(超意訳!)みたいな未練節のようです。まあ、プレイボーイのロッドが歌うには、そっちのほうが似合ってますけど。日本語詞はそんな下世話な感情が昇華されてて断然いいと思いますよねえ。

浅川マキ訳の工夫をひとつ。掲載の歌詞は、日本語部分がヴァース(いわゆるAメロ)で、英語部分がコーラス(いわゆるサビ)です。しかしよく見ると、ヴァースの後半部分がコーラス部分の訳になっています。「サビは英語のまま歌いたい(正確には、つのだひろに歌わせたい)けど、それじゃ肝心なところの意味が日本人に伝わらない。そうだ、サビの歌詞をAメロに入れとけば、サビが英語でも意味的にはコンプリートじゃん」とマキさんは閃いたのでした、たぶん。

浅川マキ・バージョンは、下北沢のジャニスこと(古いキャッチ!)金子マリも歌っています(どちらかというとマキよりマリ版のほうが有名かも)。YouTubeを探せばアマチュアによるカバーもけっこうあります。

このような流れから、この曲のオリジナルはロッドかなと漠然と思っていたのですが、件の友人は、ロッドはボビー・ブランドのをカバーしたんじゃないか、と言い置いていったのでした。で、俄然気になりだして、調べてみることにしたのでした。

「イッツ・ノット・ザ・スポットライト」は作詞ジェリー・ゴフィン、作曲バリー・ゴールドバーグ。ゴフィンは60年代前半に、伝説の<ブリル・ビルディング>で、当時の妻キャロル・キングとのコンビでヒット曲を連発(「ウィル・ユー・ラブ・ミー・ツモロウ」や「ロコモーション」など)した有名作詞家。しかし「~スポットライト」を書いたと思われる70年代前半には、別れた妻のキャロル・キングがアルバム『つづれおり』のモンスター・ヒットで大スターとなったのに対し、ゴフィンはほとんど忘れ去られた存在となっていたということです。という境遇から推察すれば<その光>を放っていたのは、キャロルという可能性もありですねえ。
作曲者のゴールドバーグは不勉強な私には初めて聞く名前でした。マイク・ブルームフィールドと共にエレクトリック・フラッグやKGBのメンバーとして活動していた人だそうです。

ゴフィンもゴールドバーグも、それぞれこの曲を自分で歌って録音しています。ボビー・ブランドもほぼ同時期にアルバムに入れていますが、ネットで調べても、最初にレコーディングしたのが誰だったのか、はっきりしません。ゴールドバーグのアルバムは、スワンプ・ミュージックの聖地マッスルショールズ・サウンド・スタジオで録音されています。その翌年くらいにロッドがここで『アトランティック・クロッシング』を録音していますから、その際スタジオ関係者からこの曲を教えられたんじゃないか、と推測される方もいるようです。

決してヒット曲ではないけれど、さまざまな実力派ミュージシャンに愛され歌い継がれてきた典型的な〈隠れ名曲〉が「それはスポットライトではない(It's Not The Spotlight)」ということですね。

うーん、オレも三十数年ぶりに、この曲を歌いたくなってきたぞ。

私の歌でこの曲を初めて聴くことになったりする方は、不運としかいいようがありませんけど。いや曲が不運なのか。






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まとめ【それはスポットライト】

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