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トウキョウ日記

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一週間遅れの連休を貰って、1泊2日で東京に行ってきました。
目的はふたつ。展覧会を見て、夜は目当ての居酒屋で息子と飲むことです。

展覧会は、東京六本木の国立新美術館で開催されていた「シュルレアリスム展」。震災による混乱の調整のため会期が一週間延長されたことで、かろうじて見に行くことができたのでした。

シュルレアリスム展ポスター

偏屈な芸術かぶれだったりした20歳の頃。最初の大学を中退し、それまで住んでいた横浜から、ひとりの友人もいない東京に移り住み、孤独の中で本を読み漁るなか、出合ったのが「シュルレアリスム」でした。夢、無意識、想像力など、それまでの既成芸術ではほぼ無視されていた心の部分を、もっとも素晴らしいものとして、それによって新たな美を創造してゆこうという運動が「シュルレアリスム」です。

まあ、当時どれほど理解していたかわかりませんが、上掲ポスターのキャッチコピーにもある、「いとしい想像力よ、私がお前の中でなにより愛しているのは、おまえが容赦しないということなのだ」とか「夢と現実という、一見まったく相容れない、二つの状態が、一種の絶対的現実、言うなれば、超現実のなかに解消する日がくることをわたした信じている」とか「きっぱり言おう。不可思議なものはつねに美しい。美しいものは不可思議なものをおいてほかにないとすら言えるだろう」(いずれもアンドレ・ブルトン『シュルレアリスム宣言より)、というような断定的表現に、コロリとやられてしまったのですね。

あと、魅かれた原因として、シュルレアリスムは、理論は難解な言い回しだけど実践はとてもわかりやすい、というところにあると思います。初期のシュルレアリストたちが熱中した「甘美な死体」という絵画共同創作法はテレビ『笑っていいとも』でのゲームにそのまま使われていましたし、「デカルコマニー」「フロッタージュ」「コラージュ」というシュルレアリスム絵画三大技法は、現在では保育園などのお絵かきの時間に用いられているほどです。

つまり子供にでも楽しめるような遊びの要素がとても大きいのです。1920年代の先鋭的な若者たちが、真面目に遊び真剣にふざけていたのが「シュルレアリスム」だったとも言えます。え、違う?

シュルレアリスム/ブローネル

今回の展覧会の目玉作家の一人、ブローネルの作品。もう説明の必要なくオカシイでしょう?目玉で絵を描いてるんですから。

どれも楽しい作品ばかりだったけど、とりあえず2点ほど紹介します。

予想をはるかに超えて、不可思議な感動を受けたのが、マグリットの『赤いモデル』。

シュルレアリスム/マグリット

昔から親しんだ画集では、どうしても足指の絵が模様として描かれたブーツに見えたんですが、本物は、ブーツの先が人間の生足へと変化している感じが精緻に描き込まれていて、しばらく見とれてしまいました。


そして、私はこれを見たいために東京まで来たのだ! イブ・タンギー『岩の窓のある宮殿』。

シュルレアリスム/タンギー

この世のどこにも無いような空間に、この世のどこにも無いようなモノが置かれ絡み合い浮遊しています。これを見ていると、私の頭はあっちへトリップしていくような気がします。ああ麻薬的快感。トイレ休憩はさんで計30分ほどこの絵を見ていました。


というふうに、本当に幸福な時間を過ごした後、夕方は旧友を訪ねて震災後のようすや彼の意見などをいろいろ聞かせてもらいました。

そして、夜9時過ぎ、仕事を終えた息子と吉祥寺駅で待ち合わせ、急ぎ足で焼き鳥屋「いせや公園店」へ向かう。これが東京での第二の目的。この店は、敬愛する酔っ払いシンガー高田渡が通った店として有名で、是非ここで飲んでみたかったのよ。

タカダワタル的

この映画に「いせや」で機嫌よく酔っ払う在りし日の高田渡がいます。これで季節はずれのブレイクをして忙しくなったのが、死期を早めた原因となったんじゃないかと、複雑な気持になる映画です。
閉店40分前に店に着き、生ビールと焼き鳥、ギョーザなどで息子と乾杯。ああウマイ。

(などという記事を書こうとしてパソコンの前にいた、先ほど、2時間ほど前のことです。カミさんが大声で呼ぶので行ってみると、なんとテレビ番組『ぴったんこかんかん』で、「いせや公園店」で大杉蓮と安住アナが焼き鳥食ってるシーンをやってるじゃありませんか。いやあ、なんという偶然。)

というふうに、ほんとうにシアワセな時を過ごさせてもらったのですが、実は道中に、カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』という小説を読んでいまして、翌日は時間があったのでかなり読み進みました。

カズオイシグロ/わたしを離さないで

この小説が、とてつもなく重く、美しく残酷で感動的な作品で、もう楽しかった前日の記憶など彼方に押し流されてしまいまして、暗く押しひしがれた気持になって、帰途に着いたのでした。

楽しい旅のあいまに、こんな小説を読んでしまって、良かったのやら、悪かったのやら。




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